二胡(にこ)を体験してみた

2025-03-08

中国の伝統楽器、二胡

縦に持って、2本の弦の間に

専用の弓の毛を挟んで

左右に往復させて弦を擦って音を出す。

まぁ、体験するまでは

バイオリンのように弦の上に弓を当てて

弓毛で擦るのかと思っていたが、

実際は弦の間に挟んだ弓毛の

外側と内側を使って引く音を分けているとは

思わなかった

年始に暇つぶしで
ネットでいろいろ検索していたところ、
自宅の近くの文化センターで
二胡のカルチャースクールが
始まるのを知った。

体験可能と言う事で
で問い合わせをしたところ、
問題なく予約できた。

体験と言っても、無料な訳ではなく、
全6回の講座の1回分の3千円程度の受講料と
二胡のレンタル代(講師所有)の1千円程度を
講師に別途支払う必要があるということだった。

合計4千円強。
これを高いと思うかは人それぞれだと思うが、
例えば、ストアカで二胡の体験を申し込むと
50分で5千円だから、
おまけに自宅からは少し遠く電車賃もかかるので
自分にとっちゃ安い、
と考えて申し込んだ次第。

スクールの時間帯

12:30~15:00と記されていて、
「長いかなぁ」と思いながらも

グループレッスンなのだから
当然かと思っていた。

支払を済ませると受付の人が教室まで案内してくれた。

部屋に入ると年配の女性の講師が
丁寧に出迎えてくれた。
椅子は2つ用意されていたが、
譜面台が1台しかなく
貸出用の楽器も1台しかテーブルに
置かれていなかったので、
自分ひとりであることを認識した。

楽器の経験について訊かれたので、
バイオリンを少しやっていたことを伝えると
「飲み込みが早いかもしれませんね」と言われた。

指導が始まり、
基本の持ち方や弾き方を教えてもらうが、
なかなか綺麗な音は出せない。
開放弦(指を抑えない状態)を
二胡では「空弦」というが、
これは何とか聴ける音は出せたものの、
弓の押し引きと音階の途中で
移弦をしないといけないのが
結構大変
だった。

バイオリンも同じようなもんだが、
最初の内は頭の中に引く弦が
インプットできていない状態だった。

その上、教本のコピーには、
五線譜と数字譜(二胡用)が
上下に表示されていて、
「数字譜でやりましょう」と言われながらも
つい五線譜の方に目が行ってしまい、
音出しをしていくと、
いつの間にか音がずれてしまう。

というのも、五線譜には
#2つのDdurで音符が記載されてあり、
移動「ド」で、すべての音符に音名が振られていたのだ。

どういうことかというと

普通の二胡は、
D調(フルート、バイオリンはC調)。
二胡でドレミを弾けば、
実音はD、E、F#となる。

が、#2つの五線譜には
D、E、F#と音符があるが
当たり前のように”ドレミ”と振られているので
最初はそっちをみているが、
楽譜の段が変わると
無意識に五線譜の音(実音)で弾いてしまい、
フレーズがぐちゃぐちゃになる
という、
弊害があった。
結局最後までこのクセは直らず仕舞いだった。

二胡の構造と弾き方としては、

弦が見える方向から見て
左側が内弦(D線)→ドレミファを弾く
右側が外弦(G線)→ソラシドを弾く

この2本の弦の間に弓の毛を入れて、
弓毛の表(内)側で内弦を
弓毛の裏(外)側で外弦を擦って音を出す。

原理はバイオリンと同じで、当然弓毛の
表裏(バイオリンは弦の当たる表のみ)に松脂を塗る。
※塗らないと摩擦が足らず音が出ない。
塗ると言っても液体やグリースのような
粘性のあるものはないので、
松脂の塊を弓毛に擦って付着させるのだ。

楽器自体は直立させて左の太腿の付け根辺りに置き、
弦のある面を右斜めに45度程にする。

弓はお腹と床に対して平行にして、
押し弓の時は右手の中指と薬指を弓毛にかけて、
力が減衰しないようにし、
逆に弾き弓の時は、その2本の指を抜いて、
力が入り過ぎないように
加減を付ける必要があるから、
運弓は慣れないとかなり難しい。
むしろ一番大事なことだ。

バイオリンの運弓が難しいのと一緒だ。

自分で言うのもなんだが、
講師にとっては教えやすかったようで
普通はやらないスラ―や二胡特有の滑りの
(ポルタメントや装飾音っぽい)弾き方も
教えてくれた。
ふつうはそこまでやらないらしい。

体験の終わりには、
「体験をしてくれてありがとうございます」と言われ、
ちょっと恐縮してしまった。
レッスンに勧誘されることもなく、
独学でもできるようなことを言われたので、
「確かに」と心の中で頷いてしまった

講師は教え方もそれなりに上手いと思ったし、
褒め上手でもあった。
が、残念なこともあったが、
詳細は伏せておく。

感想として言うならば、
その講師の演奏程度で講師になれるなら、
ちょっと集中的に打ち込めば
自分でも講師になれる気がしてしまったのは、
自分の奢りか?(たぶんそうだろうけど)

体験が終わったのは13:30

そう、一人ということもあってか、
講座ーレッスン時間は1時間だった。

「ちょっと詐欺?」って思ったりもした。
だったら、
「最初からそう書けば」、
「そう言えばいいじゃん」、
と心の中で愚痴ってみたりもした。

まぁ、二胡を体験してみたいと思っていて、
ようやく実現できて気が済んだので、
とりあえず満足。

二胡の音は好きだが、
趣味においては手を出さないと思う。
安いセットが3万円程度で売られているので
金が稼げると判れば、
やるかもしれないが・・・