バイオリンの’肩当て’を自作してみる

この記事は2015年の2月に別のブログで掲載したものを一部修正して再転載。
約10年前の内容となるが、工作の話なので今現在でも十分通じるはず。

バイオリンを始めたのはいいが、

毎回練習後は首が凝ってしまい

ものすごい疲労感を感じる。

首凝りの原因は、

「肩当て」だ。

楽器本体と肩との間の”隙間の厚み”の調整が

うまくできていないのである。

なぜ断言できるのかというと

所有している電子バイオリンに

同じ肩当てを付けて演奏してみると

首が凝らないからだ。

電子バイオリンの本体の厚み(高さ)が

アコースティックのバイオリンの厚みりも

1.5cm程薄い(低い)ので

適切にフィットしている状態となり

首が凝らない、

ということがはっきりしたのである。

「肩当て」にはいろいろと種類があるが、

下の画像のような木製のものが多い。

子供の場合、

バイオリンのサイズが小さいので

使える種類が限られてくるため、

こういったタイプではなく、

↓このような「パッド」タイプもある。

他には、

日用品のスポンジやタオルなどを使って

”座布団”みたいなものを作って

肩当てとして使っている人も多い。

と、「肩当て」についていろいろと調べて分かり、

パッド、タオルを含めて10種類くらい試してみたが、

どれもしっくりこなかった。

ないなら作るしかない

さすがに、買っては試すということを

いつまでも繰り返す訳にはいかない。

じゃぁ、どうすれば・・・

「これは作るしかない」、と思った。

既製品でフィットしない物は作る。

服や靴をオーダーメードするのと一緒だ。

と言いながら、作ったのがこれ、

完成品 (笑)

結構気合を入れて作った。

稚拙な出来上がりだが、

実用性は高い(はずだ!)。

素材は薄い革。

以前、レザークラフトをかじっていたので

保管していた革を中から薄めのものを選んだ。

皮の厚さは1mm位。

本当はスウェードが肌触りがよく

滑り止め効果があり、

加工もし易いのだが、

手持ちはなかったので

革の裏面(ざらざらした面)-バックスキンを使った。

また、バイオリン本体に固定するために

エンドピンに引っ掛けるための

「引っ掛け穴」を加工してある。

取り付けには、大きな輪ゴムを使用。

見てくれがよくないが、

ゴムそのままの方が

楽器本体に引っ掛けた時に滑らない

ので安定感が出る。

一応ヘアゴム他でも試してみたが、

滑るので却下した。

革面は袋状になっていて、

”NRスポンジゴム”というものを

パッド代わりに入れてある。

キッチン用のスポンジなんかとは全く違い、

このシールの歌い文句にあるように、

弾力と反発が適度にあって、

とても軽い。

ホームセンターで200円位だったか?

材料と具など

[ 材料 ]

  • 厚さ1~2mmくらいの柔らかい革 大きさ30cmX30cmくらい
  • 木工用ボンド
  • スポンジゴム 厚さ1cm 大きさ20cmX20cm

[ 道具 ]

  • 革包丁 または 大きいカッター
  • ミシン
  • 革縫い用ミシン針
  • ミシン糸 30番/40番あたり(強めの糸)
  • 革用ボンド
  • 太い輪ゴム 

これらはあくまで目安なので、

実際に作る際は

作りたいサイズや色に合わせて

材料を選ぶ必要がある。

それと

レザークラフトの本は一読しておいたほうが

いいかもしれない。

ミシンは家庭用のミシンで十分。

作業のポイント

  • ミシンを使う場合、返し縫いがしにくい。 -> 縫い止めが難しい。
  • 縫っている時に革送りが上手くいかない場合もある。
  • スポンジゴムを入れる袋状の革面(パッド)部分は、
    2/3位縫ったところで押しこむようにして中に入れ、
    革を引っ張りながら外側の表裏の端を揃えて縫う。
  • スポンジゴムを入れると厚みができて、布抑えが邪魔になったりする。
    このため縫い代が少なすぎると、ミシンで縫えなくなってしまう。
  • 縫い止めの代わりに縫い目にボンドを摺り込むか、
    できるなら後から手縫いで縫い止めをして糸のほつれ対策をする。
  • 輪ゴムやエンドピンの取り付け穴の周りを破れないように、
    ステッチを入れて補強する。

正直作るのは、かなり面倒だし、

時間もかかる

もちろん、失敗する可能性は大きいので、

その辺を覚悟した上で

制作に挑んで欲しい(かも?)。